所得税における所得控除の種類と金額

2017/01/07更新日

所得控除とは障害を追った人、学費のかかる子どものいる人、介護しなくてはいけない家族がいる人など、納税者の個人的事情を考慮した控除のことで、各種所得控除の要件に当てはまる人は所得控除の額を収入から差し引くことができます。

雑損控除

災害や盗難、横領などで資産に損害を受けたときに受けられます。控除額は「被害額 – 5万円」または「被害額 – 所得金額 × 10%」のいずれか多い方となります。

医療費控除

1年間に支払った医療費が10万円以上になったら受けられる控除です。控除額は「(支払った医療費 – 保険金などで補填される金額)- 10万円」となります。ただし、その年の所得金額が200万円未満の人は「総所得金額等5%の金額」が控除額となります。

控除対象には、家族の医療費や薬代も含まれ、治療・療養のためであれば、マッサージや整骨院も含まれます。最高で200万円となります。

社会保険料控除

健康保険、国民年金、厚生年金保険など、支払った社会保険料を「全額控除」できます。控除の対象には、配偶者や扶養家族の分も含まれます。

小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済、個人型確定拠出年金、心身障害者扶養共済に加入している場合、掛金を「全額控除」できます。

生命保険料控除

生命保険料控除には、生命保険を支払ったときに適用される「新(旧)生命保険料控除」、個人年金保険料を支払ったときに適用される「新(旧)個人年金保険料控除」、介護医療保険料を支払ったときに適用される「介護医療保険料控除」の3つがあり、それぞれ最高4万円の控除が受けられます。3つの保険に加入している場合、最高12万円の控除を受けることができます。

控除額の算定は新契約(平成24年1月1日以後に締結した保険契約等)と旧契約(平成23年12月31日以前に締結した保険契約等)で異なり、それぞれ次の表の計算式に当てはめて金額を計算します。

1. 新契約に基づく場合の控除額

年間の支払保険料 控除額
2万円以下 支払保険料の全額
2万円超 4万円以下 支払保険料 × 1/2 + 1万円
4万円超 8万円以下 支払保険料 × 1/4 + 2万円
8万円超 一律4万円

2. 旧契約に基づく場合の控除額

年間の支払保険料 控除額
2万5000円以下 支払保険料の全額
2万5000円超 5万円以下 支払保険料 × 1/2 + 1万2500円
5万円超 10万円以下 支払保険料 × 1/4 + 2万5000円
10万円超 一律5万円

3. 新契約と旧契約の双方に加入している場合の控除額

新契約と旧契約の双方に加入している場合、次のいずれかを選択して控除額を計算できます。

適用する生命保険料控除 控除額
新契約のみ生命保険料控除を適用する場合 1に基づき算出した控除額
旧契約のみ生命保険料控除を適用する場合 2に基づき算出した控除額
1に基づき算出した控除額と2に基づき算出した控除額の合計額(上限4万円) 支払保険料 × 1/4 + 2万5000円

地震保険料控除

地震、噴火、津波などの損害を補う保険に加入している場合に受けられる控除です。控除額は「上限を5万円として、支払った分の全額」となります。

寄附金控除

国や地方公共団体などへ寄附した場合に受けられる控除です。控除額は「寄附金額 – 2000円」となります。ただし、その年の総所得金額等の40%が上限となります。

障害者控除

納税者自身や扶養している家族が障害者の場合に受けられる控除です。控除額は障害者で「27万円」、特別障害者で「40万円」、同居特別障害者で「75万円」となります。

特別障害者とは、その年の12月31日の現況で引き続き6ヶ月以上にわたって、身体の障害による寝たきりの状態で、複雑な介護を必要とする人を指します。

寡婦控除

納税者自身が夫と死別、もしくは、離婚した後に婚姻していない場合などに受けられる制度です。控除額は一般の寡婦で「27万円」、特定の寡婦で「35万円」となります。

特定の寡婦とは、次の3つの条件を満たす人が該当します。

  1. 夫と死別し又は離婚した後婚姻をしていない人や夫の生死が明らかでない一定の人
  2. 扶養親族である子がいる人
  3. 合計所得金額が500万円以下であること

寡夫控除

納税者自身がその年の12月31日の現況で、次の3つの要件の全てに当てはまる人が受けられる控除です。控除額は「27万円」となります。

  1. 妻と死別し、若しくは離婚した後婚姻をしていないこと又は妻の生死が明らかでない一定の人であること
  2. 生計を一にする子がいること
  3. 合計所得金額が500万円以下であること

勤労学生控除

納税者自身が学校教育法に規定する小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校などの生徒である場合に受けられる控除です。控除額は「27万円」となります。ただし、合計所得金額が65万円以下(給与のみの場合は給与収入が130万円以下)という制限があります。

扶養控除

扶養している家族がいる場合に、人数分だけ受けられる控除です。6親等以内の血族か、3親等以内の姻族に限られます。控除対象となる扶養親族は16歳以上とされており、控除額は扶養親族の年齢によって異なります。

区分 控除額
一般の控除対象扶養親族(16歳以上) 38万円
特定扶養親族(19歳以上23歳未満) 63万円
70歳以上で同居していない老人扶養親族 48万円
70歳以上で同居している老人扶養親族 58万円

扶養親族とされるには、合計所得金額が38万円以下(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)であること、青色・白色申告者の事業専従者として給料を受けてないことなどが条件となります。

配偶者控除

民法の規定による配偶者がいる場合に受けられる控除です。控除額は一般の控除対象配偶者で「38万円」、70歳以上の配偶者で「48万円」となります。

配偶者控除を受けるには、配偶者が納税者と生計を一にしていること、合計所得金額が38万円以下(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)であること、青色・白色申告者の事業専従者として給料を受けてないことが条件となります。

配偶者特別控除

配偶者の合計所得金額が38万円(給与のみの場合は給与収入が103万円)を超えている場合でも、確定申告者の所得金額が1000万円以下、配偶者の合計所得金額が76万円未満(給与のみの場合は給与収入が141万円)であれば、配偶者特別控除を受けることができます。

控除額は配偶者の収入に応じて異なり「3〜38万円」となります。

配偶者の合計所得額 控除額
38万円超40万円未満 38万円
40万以上45万未満 36万円
45万以上50万未満 31万円
50万以上55万未満 26万円
55万以上60万未満 21万円
60万以上65万未満 16万円
65万以上70万未満 11万円
70万以上75万未満 6万円
75万以上76万未満 3万円
76万以上 0円

配偶者控除を受けるには、配偶者が納税者と生計を一にしていること、青色・白色申告者の事業専従者として給料を受けてないことなどが条件となります。

基礎控除

基礎控除はすべての納税者から差し引くことができる控除です。控除額は「38万円」となります。