ふるさと納税と住宅ローン控除を併用する際の上限額、自己負担額への影響

2017/01/30更新日

ふるさと納税に興味はあるけど、住宅ローン控除を受けている場合の上限額はどうなるの?という疑問を持っている人も多いかと思います。ふるさと納税と住宅ローン控除を併用することは可能ですが、状況によっては2000円の自己負担が増える可能性があるので注意が必要です。

ふるさと納税と上限額とは?

ふるさと納税は2000円の自己負担で豪華な返礼品がもらえるお得な制度です。たとえば、佐賀県小城市に3万円寄附すると、寄附してくれたお礼として「佐賀牛しゃぶしゃぶ・すき焼き用900g」が送られてきます。そして、寄附した3万円のうち2万8000円が税金が安くなる形で戻ってきます。

一般的に寄附金の4割程度の返礼品がもらえるので、10万円ふるさと納税をすると、9万8000円税金が安くなり、4万円相当の特産品がもらえます。驚異的にお得です。

それなら20万円でも30万円でも寄附しようかと思いますが、残念ながらそれはできません。年収や家族構成によって上限額が決まっていて、基本的に年収が高ければ高いほど、ふるさと納税できる金額が大きくなります。

たとえば、年収600万円の独身会社員の場合、7万7000円が上限額の目安になります。上限額の目安については「ふるさと納税額の上限額を計算する方法、2000円で済む寄附金額の目安」に記載しているので参考にしてみてください。

住宅ローン控除とは?

住宅ローン控除とは「住宅借入金等特別控除」のことで、住宅ローンを組んで家を購入した場合にローン残債の1%を10年間、税金から差し引いて家計の負担を軽くしてくれる制度です。住宅ローン減税も意味は同じです。

たとえば、3000万円のローン残債がある場合、30万円(3000万円 × 1%)が税金から差し引かれます。ただし、差し引かれる税金には上限があり、長期優良住宅や低炭素住宅ならば50万円、通常の住宅ならば40万円となります。1億円のローン残債があっても50万円となります。

住宅ローン控除の詳細については今回の主題ではないので、説明は割愛しておきます。詳細について知りたい人は「すまい給付金」を参考にしてみてください。

住宅ローン控除が上限額と自己負担額に与える影響

ふるさと納税と住宅ローン控除を併用しても上限額には影響がありません。ただし、状況によっては自己負担額が増える可能性があるので注意が必要です。具体的に自己負担が増えるのは「住宅ローン控除の住民税からの控除上限額に達している人」となります。

住民税からの控除上限額に達している人とは?

住宅ローン控除は「ローン残債 × 1%」を所得税から差し引き、引ききれなかった分を住民税から差し引きます。たとえば、住宅ローン控除が30万円、所得税20万円、住民税30万円のような場合では、所得税から20万円、住民税から10万円を差し引きます。

ここで問題になるのが、住民税から差し引ける額に上限が設けられていることです。上限額は「課税所得 × 7%」もしくは「13万6500円」の小さい方となります。

したがって、住宅ローン控除30万円、所得税10万円、住民税20万円のような場合、所得税から10万円、住民税から20万円とはならず、所得税から10万円、住民税から13万6500円となります。最終的に残った6万3500円は消化不可となります。

この状態の人をここでは「住民税からの控除上限額に達している人」と言っています。

なぜ、控除上限額に達していると自己負担が増えるのか?

これには住宅ローン控除とふるさと納税の差し引かれる順番が関係しています。住宅ローン控除とふるさと納税を併用した場合、税金の計算は以下のような流れになります。

  1. 所得税から「ふるさと納税の所得税分」が差し引かれる
  2. 所得税から「住宅ローン控除の所得税分」が差し引かれる
  3. 住民税から「住宅ローン控除の住民税分」が差し引かれる
  4. 住民税から「ふるさと納税の住民税分」が差し引かれる

ふるさと納税の寄附金は所得税と住民税が安くなる形で戻ってきます。たとえば、所得税率10%の人が5万円ふるさと納税をすると、所得税から4800円、住民税から4万3200円差し引かれ、合計4万8000円の税金が安くなります。これで自己負担は2000円です。

ここで重要になるのが、ふるさと納税の所得税分が先に差し引かれる点です。これにより、ふるさと納税の所得税分だけ住宅ローン控除の所得税分が減ることになります。

住民税からの控除額に余裕があれば、所得税で減った分を住民税でまかなえます。しかし、住民税からの控除が上限に達している場合、住民税からは差し引けないので、ふるさと納税の所得税分、住宅ローン控除の額が減ることになります。

住宅ローン控除を併用すると自己負担が増えるケース

住民税からの控除上限額に達している場合は住民税からの控除は上限なので所得税で差し引けなかった分を住民税側にスライドすることができません。つまり、ふるさと納税の所得税分だけ住宅ローン控除の額が減ることになります。

住宅ローン控除を併用すると自己負担が増えるケース

ふるさと納税を行ったことで「住宅ローン控除の額が減る=実質的にふるさと納税の自己負担額が増える」ということになります。

住宅ローン控除を併用しても影響がないケース

住民税からの控除上限額に達していない場合は住民税からの控除額が、ふるさと納税の所得税分だけ増えるので問題ありません。住宅ローン控除が所得税側から住民税側にスライドされるイメージです。

住宅ローン控除を併用しても影響がないケース

言うまでもありませんが、所得税だけで住宅ローン控除を満額差し引ける人(住宅ローン控除の額<所得税の額)も問題ありません。

自己負担額は一体、いくら増えるのか?

実際に増える自己負担額は、ふるさと納税の所得税分になるので以下の計算式で算出できます。所得税率については「所得税率を確認する方法」に記載しているので参考にしてみてください。

自己負担額 =(ふるさと納税 – 2000円)× 所得税率 + 2000円

たとえば、所得税率10%の人がふるさと納税を5万円行うと自己負担額は「4800円」が増え、「6800円」となります。寄附金額ごとに自己負担額を計算すると以下のようになります。

寄附金額 返礼品の価値 自己負担額
10,000円 4,000円 2,800円
20,000円 8,000円 3,800円
30,000円 12,000円 4,800円
40,000円 16,000円 5,800円
50,000円 20,000円 6,800円

返礼品は寄附金額の4割相当が相場なので、5万円の寄附で2万円相当の返礼品がもらえることになります。全く妙味がなくなるわけではありませんが、あとは考え方次第です。

住宅ローン控除適用時の自己負担額シミュレーション

自分で自己負担額を計算するのが面倒という人は以下のシミュレーションを参考にしてみてください。住宅ローン控除を適用した人がふるさと納税を上限まで行ったときの自己負担額の目安が把握できます。緑色の部分が自己負担が増える組み合わせになります。

Case.1 独身又は共働きの自己負担額

共働きとは、ふるさと納税を行う人が配偶者控除を受けていないケースを指します。年収600万円でローン残債が3500万円の場合は「9700円」が自己負担額となります。

年収 ふるさと納税
の上限額
住宅ローン残債
1500万円 2000万円 2500万円 3000万円 3500万円 4000万円 4500万円 5000万円
300万円 29,000円 3,350円 3,350円 3,350円 3,350円 3,350円 3,350円 3,350円 3,350円
350万円 35,000円 2,000円 3,650円 3,650円 3,650円 3,650円 3,650円 3,650円 3,650円
400万円 43,000円 2,000円 2,000円 4,050円 4,050円 4,050円 4,050円 4,050円 4,050円
450万円 54,000円 2,000円 2,000円 7,200円 7,200円 7,200円 7,200円 7,200円 7,200円
500万円 63,000円 2,000円 2,000円 2,000円 8,100円 8,100円 8,100円 8,100円 8,100円
550万円 70,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 8,800円 8,800円 8,800円 8,800円
600万円 79,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 9,700円 9,700円 9,700円 9,700円
650万円 100,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 21,600円 21,600円 21,600円
700万円 110,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 23,600円
750万円 121,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円
800万円 134,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円
850万円 146,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円
900万円 158,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円

Case.2 夫婦の自己負担額

夫婦とは配偶者に収入がないケースを指します。見方は Case.1 と同じです。このケースでは配偶者控除が適用されるので、自己負担額が変わります。

年収 ふるさと納税
の上限額
住宅ローン残債
1500万円 2000万円 2500万円 3000万円 3500万円 4000万円 4500万円 5000万円
300万円 22,000円 3,000円 3,000円 3,000円 3,000円 3,000円 3,000円 3,000円 3,000円
350万円 27,000円 3,250円 3,250円 3,250円 3,250円 3,250円 3,250円 3,250円 3,250円
400万円 35,000円 2,000円 3,650円 3,650円 3,650円 3,650円 3,650円 3,650円 3,650円
450万円 43,000円 2,000円 4,050円 4,050円 4,050円 4,050円 4,050円 4,050円 4,050円
500万円 54,000円 2,000円 2,000円 7,200円 7,200円 7,200円 7,200円 7,200円 7,200円
550万円 62,000円 2,000円 2,000円 2,000円 8,000円 8,000円 8,000円 8,000円 8,000円
600万円 71,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 8,900円 8,900円 8,900円 8,900円
650万円 79,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 9,700円 9,700円 9,700円 9,700円
700万円 100,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 21,600円 21,600円 21,600円
750万円 112,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 24,000円
800万円 124,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円
850万円 136,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円
900万円 149,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円 2,000円

注:健康保険・厚生年金保険の保険料は東京都を基に計算しています。

住民税の控除額上限でも自己負担が増えないケース

住民税の控除額上限に達していても自己負担が2000円で済む場合があります。それはワンストップ特例制度を利用した場合です。ワンストップ特例制度を適用した場合、所得税からの控除はなく全額住民税から差し引かれます。

つまり、住宅ローン控除における住民税の控除額上限に達していてもワンストップ特例制度を利用すれば自己負担が増えなくなるということです。

ワンストップ特例制度の詳細ついては「ふるさと納税ワンストップ特例制度の詳細と手続き方法」に記載しているので参考にしてみてください。

ただし、ワンストップ特例制度には以下の条件があります。

  • 寄附先の自治体数が5ヶ所内であること
  • ふるさと納税以外に確定申告をする必要がない人

住宅ローン控除は初年度こそ確定申告が必要ですが、一度、確定申告をしてしまえば次の年からは年末調整となります。したがって、2年目以降にふるさと納税以外に確定申告する必要がなく、ふるさと納税の寄附先が5ヶ所以内であれば、自己負担が2000円で済みます。

医療費控除や株の損益通算、事業所得などで確定申告をする場合、ワンストップ特例制度は利用できません。その場合は自己負担が増えますので注意が必要です。

住宅ローン控除で所得税が0円になる人は要注意!

住宅ローン控除を受けていて所得税が0円になっている人は自己負担額が増える可能性があります。とくに年収の5〜6倍以上のローンを組んでいる人は要注意です。いずれにしても住宅ローン控除とふるさと納税を併用する場合は事前にシミュレーションしておくことをおすすめします。

ふるさと納税の上限額ガイド

ふるさと納税には年収や家族構成に応じて寄附できる金額に上限があります。ここでは2000円の自己負担で済む寄附金額の計算方法や目安の金額を紹介しています。

おすすめの返礼品と選び方ガイド

数十万点の返礼品の中からおすすめの返礼品を当サイト管理人がピックアップして紹介しています。どの返礼品を選べばいいのか分からないときは参考にしてみてください。

おすすめの返礼品と選び方ガイドの続きはこちら

おすすめのふるさと納税サイト

ふるさと納税は基本的に、ふるさと納税のポータルサイトを通じて行うことになります。どこのサイトも同じと思ってしまいがちですが、それぞれ独自の特徴があります。

おすすめNo.1 さとふる

ネットショッピング感覚でふるさと納税ができるサイト。マイページ機能が充実していて、寄附履歴や返礼品の配送状況などが確認できます。電話で問い合わせができるコールセンターもあり、東京浅草の商業施設・まるごとにっぽんには「ふるさと納税コンシェルジュ」というふるさと納税の実店舗もあります。

公式サイト → さとふる

おすすめNo.2 楽天ふるさと納税

ふるさと納税の寄附が楽天市場での買い物と同様の扱いになり、楽天スーパーポイントが付与されます。スーパーポイントアッププログラム(SPU)も対象となるので、楽天カードだと5%以上のポイントを獲得できてお得です。寄附金にポイントを利用することも可能です。

公式サイト → 楽天ふるさと納税

おすすめNo.3 ふるなび

ふるなびは電化製品や商品券・ギフト券の取り扱いが多いのが特徴です。ふるなびグルメポイントというサービスもあり、寄附金額の30%分のポイントがもらえ、1ポイント1円として指定の飲食店で利用できます。また、2017年11月以降、寄附金額に対して1%のAmazonギフトコードがもらえるようになったのも大きなメリットです。

公式サイト → ふるなび

おすすめNo.4 ふるさとチョイス

ふるさとチョイスは寄附申込累計が1500万件を超える日本最大級のふるさと納税ポータルサイト。全国1788すべての自治体の情報が掲載されていて、うち1329自治体はクレジットカード決済に対応しています。ふるさとチョイス限定の返礼品もあります。

公式サイト → ふるさとチョイス

番外編 noma-style.com

noma-style は福島県南相馬市が運営するふるさと納税サイトです。ファッションブランドのラインナップが豊富なのが特徴です。モコモコとした気持ちの良い肌触りのルームウェアを展開する「ジェラートピケ」やシンプルでお洒落なデザインの「プラスマイナスゼロ」の家電などが戴けます。

公式サイト → noma-style.com

番外編 ANAのふるさと納税

ANAのふるさと納税は寄附金100円につき1ANAマイルが貯まるので、ANAマイルを貯めている人におすすめのサイトです。支払いはクレジットカードのみで、Tポイントを支払いに充てることができます。とりわけ宿泊券が豊富にラインナップされています。

公式サイト → ANAのふるさと納税