住民税の所得割額を計算する方法

2017/01/05更新日

ここでは住民税の所得割の計算方法について説明していきます。住民税の所得割は所得に応じて課せられるもので、一般的な会社員の場合「住民税所得割額 =(収入 – 給与所得控除 – 所得控除)× 10% – 調整控除」で算出できます。

Step.1 給与所得控除を求める

給与所得控除は一般的な会社員であれば、誰でも差し引ける控除です。1月1日〜12月31日の1年間に得た給与収入から下の速算表を参考に給与所得控除を求めます。額面の年収が600万円の会社員の場合、給与所得控除は「600万円 × 20% + 54万円」となり「174万円」になります。

平成29年分 給与所得控除額の速算表

給与等の収入金額 給与所得控除額
180万円以下 収入金額 × 40%、65万円に満たない場合には65万
180万円超 360万円以下 収入金額 × 30% + 18万円
360万円超 660万円以下 収入金額 × 20% + 54万円
660万円超 1000万円以下 収入金額 × 10% + 120万円
1000万円超 220万円

平成28年分までの給与所得控除については、国税庁のホームページで確認できます。

Step.2 所得控除を求める

所得控除とは納税者の生活状況や家庭環境などを考慮して、税負担をなるべく公平にするために設けられた制度です。各種所得控除の要件に当てはまる人は所得控除の額を差し引くことができます。

  • 家族構成:夫54歳、妻51歳(無職)、長女17歳(学生)
  • 年間収入:600万円
  • 控除項目:社会保険料支払額90万円、生命保険の支払額20万円、確定拠出年金の支払額27.6万円

上記の家族の場合、所得控除は以下の1から6の控除を合算した「219万4000円」となります。

  1. 社会保険料控除 90万円
  2. 生命保険料控除 2万8000円
  3. 小規模企業共済等掛金控除 27万6000円
  4. 配偶者控除 33万円
  5. 扶養控除 33万円
  6. 基礎控除 33万円

所得控除の種類や詳細については「住民税における所得控除の種類と金額」に記載しているので参考にしてみてください。

Step.3 課税所得を求める

額面の収入から先ほど計算した給与所得控除と所得控除を差し引いたものが課税所得になります。Step.2 の家族の場合、年収が600万円で給与所得控除が「174万円」、所得控除が「219万4000円」なので、課税所得は「600万円 – 174万円 – 219万4000円」となり「206万6000円」となります。

Step.4 調整控除を求める

調整控除額とは障害者控除、寡婦控除、寡夫控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除について、所得税と住民税の間に控除額の差が生じているため、その差による影響をなくす目的で始まった制度です。調整控除は、課税所得が200万円以下か、200万円を超えるかで計算方法が変わります。

課税所得が200万円以下の人

次の1と2のいずれか小さい金額の5%

  1. 人的控除の差の合計額
  2. 課税所得

課税所得が200万円を超える人

  1. 人的控除の差の合計額 – (課税所得 – 200万円) を計算する
  2. 1の計算結果 × 5% = 調整控除とする

2の計算結果が2500円未満のときは、2500円を調整控除となります。

人的控除の差一覧表

 人的控除の項目 所得税 住民税 差額
障害者控除  一般の障害者 27万円 26万円 1万円
特別障害者(非同居) 40万円 30万円 10万円
特別障害者(同居) 75万円 53万円 22万円
寡婦控除 一般の寡婦 27万円 26万円 1万円
特別の寡婦 35万円 30万円 5万円
寡夫控除 27万円 26万円 1万円
勤労学生控除 27万円 26万円 1万円
配偶者控除 一般 38万円 33万円 5万円
老人 48万円 38万円 10万円
配偶者特別控除 38万円超40万円未満 38万円 33万円 5万円
40万円以上45万円未満 36万円 33万円 3万円
扶養控除 一般 38万円 33万円 5万円
特定 63万円 45万円 18万円
老人 48万円 38万円 10万円
同居老親等 58万円 45万円 13万円
基礎控除 38万円 33万円 5万円

Step.2 の家族の場合、人的控除の差の合計額は基礎控除の5万円、配偶者控除の5万円、扶養控除の5万円で合計15万円。「課税所得が200万円を超える人」の計算式に当てはめると「15万円 -(206万6000円 – 200万円)= 8万4000円」となり、これに5%を掛けた「4200円」が調整控除となります。

Step.5 住民税の所得割額を求める

最後に冒頭で紹介した計算式で住民税の所得割額を計算します。Step.2 の家族に当てはめると「(600万円 – 174万円 – 219万4000円)× 10% – 4200円」となり「20万2400円」が住民税の所得割額という結果になります。